BMO ワイン
BMO輸入ワイン 蔵元:マチルド・エ・ステファン・デュリウ ・ドゥ・ラカレル/MATHILDE & STEPHEN DURIEU DE LACARELLE
ワイン名:ル・イ・エ・チュ 2021/LOU Y ES TU

2021年でなぜこの色気?妖艶な液体にため息が漏れた・・・!

ル・イ・エ・チュ 2021
商品No.3BAFR2-1-21
産地フランス ボージョレー 

品種:ガメイ

栽培・醸造:
樹齢70年。
南/南東向きの花崗岩土壌。手摘み収穫。
グラップ・アンティエールのぶどうを、
コンクリートタンクで8日間セミ・マセラシオン・カルボニック。
プレスしてアルコール発酵後、MLF発酵。
コンクリートタンクで6ヶ月間熟成。

まるで10年熟成させた
ピノ・ノワールのような、淡く妖艶な色。
口に含むと、プラムのような果実に、
キノコやスパイス、枯れ葉っぽいニュアンスも。
余韻にはダージリンティーのような繊細かつエレガントな液体。

クリュ・ボージョレー最南端ブルイィのさらに南に位置する畑。
アルコール11%と沁み込む優しさながら、
余韻には樹齢70年の膨大な旨みが体中に響き渡る!
いわゆる『チャーミングガメイ』とは別次元の色気がムンムン!!

2021年は、大寒波、
ひょう害、ベト病など数々の自然災害に見舞われた年。
彼らも例外ではなく、なんと収穫量8割減・・・。
通常4つのキュヴェを造り分けているが、
2021年は彼らの看板ワインである
『ル・イ・エ・チュ』のみに望みをかけてリリースした!

★ワイン名の由来
『LOU Y ES TU』は、
2013年に誕生した娘ルイーズのあだ名である「lou」と、
童謡「Loup y es-tu(オオカミはそこのあなた?)」
を組み合わせて命名。

マチルド・エ・ステファン・デュリウ ・ドゥ・ラカレル
マチルド・エ・ステファン・デュリウ ・ドゥ・ラカレル
蔵元
マチルド・エ・ステファン・デュリウ ・ドゥ・ラカレル
生産者名
MATHILDE&STEPHEN DURIEU

夫婦の努力と絆が、
高樹齢のガメイの本質を引き出した!


 
ワイン造り23年!
夫婦二人三脚でガメイを極める!



代々、ワイン造りの家系に生まれたステファン

祖父母の代に、ブルイィの南に位置するサン・テティエンヌ・デ・ズリエール村に蔵を構えた。
幼い頃から祖父母の姿を見て育ったステファンにとって、ワイン造りの道に進むことはとても自然なことだった

ヨットで1年間航海した後、ボーヌの栽培・醸造学校に通い、ワインの基礎知識を学んだ。
その後、ポマールの「Domaine Virely Arcelain」で働いていた。
そして2000年、祖父母から7haのぶどう畑を引継ぎワイン造りスタート

その後、蔵が近い事からブルイィのジャン・クロード・ラパリュと出会い、親交を深めていった。
ラパリュからは、ナチュラルな栽培、醸造について貴重なアドバイスやヒントをもらった
(現在も、情報交換したりアドバイスをし合う仲!)

2003年、ステファンにとって今後のワイン造りの方向性を変える大きな出来事が!
友人の農薬使用による中毒事故をきっかけに、有機栽培への転換を決意。
2007年に有機認証『エコセール』取得、2009年から自然醸造に移行した。

高樹齢のガメイの本質とは?


2010年に、パートナーであるマチルドが絵画の修復という芸術の仕事を離れてドメーヌに参画した。
ぶどう栽培の傍ら、10頭の羊の世話をして、夫婦二人三脚でワイン造りをしている

現在所有している畑は8.5ha、南/南東向きの花崗岩土壌。
全てエコセールの認定を受けていて、現在はビオディナミ栽培へと転換中。
平均樹齢50年以上。しかも1.5haは樹齢105年!!

収穫したぶどうを冷却する設備がない為、ワイン造り23年の知識と経験をフルに発揮するステファン。
タンクの下半分に午後に収穫した暖かいぶどうを入れ、
上半分は翌朝に収穫したばかりの冷たいぶどうで満たす。
この方法により、ぶどうを冷却しなくても、平均発酵温度が23℃を超えないで醸造ができる。

ボージョレーの伝統であるセミ・マセラシオン・カルボニックにて、マセラシオンの期間は10日以内。
ルモンタージュやピジャージュもなし、酸化防止剤は瓶詰め時に極少量のみ。
100年以上前からこの地に根付いた、高樹齢のガメイの本質を見事に表現している


~ 代表山田のエッセイより ~

インポーターを始めたのは1998年。もう26年になるのか。
ずいぶん多くの造り手に会ったな。
月並みにいうとね、出会いは感動そのものだけど、別れは辛い。
別れとは、扱っていた蔵元の輸入をやめることだよ。

まあ、自分がワインの力を見抜けなくて、ポテンシャルを見誤ったことは、そうはない。
意味わかるよね?だから、辛かったのは、
ポテンシャルがあることは分かっていながら、買い支えられなかった時

2006年のパリ。
バラタンで散々飲みまくった揚げ句、
例の店主が「最後のブラインドっ」として出してきたキャラフ。
「ガメイっ」。その澄んでいるのにはち切れそうなエネルギーに酔いが覚めた。

それが、ジャン・モーペルチュイとの出会いだった。

喜び勇んで輸入した。
思い出すなあ、手元に届いたボトルをウキウキしながら開け、グラスを鼻先にした時のこと。
「うっ、キツっ、、、」
2005年ヴィンテージのそれは、
バラタンの時とはまるで別人の如く、強烈な還元臭に見舞われていたんだ。
巨大な猛禽類の鋭い爪のように、
その還元は深く液体に食い込み、一向に抜けそうな素振りを見せなかった。

待ったんだよ、何年も。しかしビクともしない。
当時はまだ売れていないモーペルチュイ。
「輸入しても→還元待ち」で在庫の山。その時のBMOの体力では限界があった。
もちろん還元の奥にあるはち切れんばかりの果実。
そのポテンシャルは十分に分かっていたんだけど。

泣く泣く輸入を止めた。当時の在庫は、数人の、味の見える篤志家に仕入れてもらったよ。
その後、すっかり存在を忘れた10年近い時間を経て、
猛禽類の爪は見事に抜け、隠れていたものが迸り出てきた話は、知る人ぞ知る語り草だ。

当時の造りは、パツンパツンに凝縮した果実。それが強い還元のバリアに閉じ込められた状態。
長い時間を経てバリアが溶け、溢れてきたもの。
それは、余計な酸化に触れなかった絶妙な熟し感だった。
かつてない色気、滋味、幾層にも絡まる溶けた旨味。
口に含んだ人の高揚感を導いた。
オーヴェルニュから出てくる極一部のガメイの独自性。熟し感。それは、かのペイラを思わせた。

人生は面白いね。もう出会えないと思っていたあの色気に再会するとは思わなかったよ。
理由は分からない。ボージョレーでブドウを知り尽くしたデリューのマチルドとステファン。
例年は多数のキュベを造り分ける彼らが、2021年は、たった1つのキュベに全てを集中させたらしい。
そのガメイは「ルイ・エ・チュ」と名付けられた。

空輸で届いたボトルを味わった時の驚き。
「まさか、、」今でも鮮明に覚えているよ。あの色気を満面にたたえた液体が出てきたのだから。
でも、その驚きはあえて封印していたんだ。輸入してみて違ってたらヤバいからね。
コンテナが日本に届いた。すぐに取り寄せ、味を見たよ。

参った。震えるようなあの色気は、さらに溶け込んでいた。
薄いようでいて、奥から奥から妖艶がエキスがほとばしる液体
なぜ2021年でこの色気が出て来るんだ?正直分からない。
近年、どのオーベルニュでもボージョレーでも出会ったことがなかったからね。
今回は、どんな造りをしたからこんな妖艶な液体になったのか?といった追求はやめることにした。
純粋な味への感性一本で十分だろう。
なにしろ、あの還元が溶けたモーペルチュイ、ペイラに通じる味筋、
夢中にさせられたあの味筋に、再び出会えたのだから。

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